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内装工事にかかる費用 | 内装工事の費用と相場について

内装工事を頼もうと思ったときに一番気になるのは費用のことではないかと思いますが、店舗やテナント、オフィスや施設によって発生する費用は異なるケースがほとんどです。
内装工事といっても居抜き(前テナントが残したものを使える)かスケルトン(壁も天井も床もまったくの更地状態)かによっても費用がまったく異なるため、まずは内装工事をしてもらう物件の状態から考える必要があります。

ひとつの例として、近所にBARを開業したいと考えた場合を想定してみます。

一番てっとり早く開業したいと考え、居酒屋からBARに改装するとすれば、居抜き状態であれば前テナントが残していったカウンターテーブルや備品置き等も再利用することが可能となりますので、雰囲気を和風から洋風にすればよいだけで、まったく一から揃えたり作ったりするよりは内装費用が掛からないことは理解できると思います。

スケルトン状態から内装工事を実施するとなれば、壁・天井・床・空調・トイレ・水回り・排水環境・電気・照明・ガス・各種什器・家具・厨房設備関係一式まで、すべてを一から考え揃えなければならず、なおかつ店全体のコンセプトに基づいたデザイン、什器の配列やスタッフの導線を考慮したレイアウトを考え図面を起こしてから内装工事に着手することとなります。

防災やテナントオーナーとの条件など、細かいことを上げたらきりがないのでここでは割愛しますが、店舗の内装工事をしようと考えれば、様々な費用が発生することが想定できると思います。

居抜きでもスケルトンでも内装工事に関わる共通の事案とすればデザインになるかと思います。

居酒屋風のBARでも場合によっては流行る可能性もありますが、一般的にはBARを開業しようと考える方であればデザインやコンセプトに、それなりの考えがあって店舗を出店しようと考えるはずですので、まずは最低限、内装におけるクロスの張替が必要なことは理解できるかと思います。

内装工事のクロス張替えについては、基本的に平米(㎡)単価でクロスの部材費用が発生しますが、それ以外にも、クロスを張り替えるだけでも室内養生費用・ハガシ費用・廃材処理費用・荷物移動費用・諸経費等が発生します。
簡単な工事であれば、細かい費用の記載はなく「一式」とする場合も多いですが、クロス張替えだけでも色々な作業が発生するわけです。

話を少し戻して、15坪の居酒屋だった店舗を居抜きでBARにする内装工事で、クロスを張り替える作業としての費用としては以下のようになります。

クロス部材費:部材単価1,500円として試算 
床面積:7m×7m=49㎡(約15坪) 天井までの高さ2.5mとする
 7m×7m=49㎡(天井) 7m×2.5m(壁面)×4面=70㎡ 合計:119㎡
 ※クロス費用は特注品(デザインに凝る)だともう少し高くなる。
部材費用:1,500円×119㎡=178,500円

実際の計測では119㎡であっても、どうしてもぴったり部材を仕入れて作業することには無理があり※後述 やや多めに部材は必要となります。

これに作業が発生することとなりますが、まずは現状のクロスを剥がす作業が必要となります。
剥がさずにクロスの上にクロスを貼る、合板等を貼ってその上にクロスを貼ることも可能ではありますが、一般的に「剥がして貼る」ことが一番簡単・安価で仕上がりもきれいになるケースが多いです。

一般的な剥がして貼る方法をとった場合、いきなりガリガリ剥がす作業をする前に、壁面にある什器や家具を作業効率を考えつつ移動する(移動するということは元に戻すことも必要となる)作業「荷物移動費用」が必要となり、什器や家具を移動したうえでクロスを剥がす時に発生する粉塵等から室内の機材や商材を守る「室内養生費用」が発生するというわけです。
このとき什器や家具の移動も屋外に移動しなければならない場合(階上であればあるほど)、養生が必要な個所が多くなる場合には、もちろん金額が高くなってしまうことは理解できると思います。

什器や家具の移動、養生作業が済んで初めて、現状のクロスを剥がす作業に取り掛かることになりますが、剥がしていくと稀に壁面に凹みや損傷がある場合もあり、大きな凹みや損傷であるとクロスを貼ったときに空気が残ってしまい、夏場になって空気が膨張し歪んだ壁面になってしまうケースもありますので、補修作業が必要な場合もあります。

さて、壁面の補修が終わったらクロスを貼っていく作業となりますが、貼る際には“糊”を塗って空気が入らないようしっかりと密着させていくわけですが、つなぎ目部分は少しだけ被せて貼り付けるため、どうしても実際の壁面面積よりやや多めの部材が必要となるわけです。

さて、クロスを張り替えも終わり完成となるわけですが、ここである疑問が出るかと思いますが、なぜ作業を行う人の「人件費」が見積りに無いのか…

今回の例で例えれば、15坪を作業するのですから「人件費/坪」とすればわかりやすいかと考えがちですが、実際に内装工事をするときに“1坪”だけ作業することはほぼ無いので、「1坪分の壁のクロスを剥がしてクロスに糊をつけて貼る」この作業を職人に頼んだ場合、概ね3時間~4時間、2坪であった場合でもほとんど時間は変わることがありません。※もちろんこれが10坪になれば3、4時間では済みませんが…
ですので、クロスを貼る作業に関してはクロスの部材費用にプラスして見積に記載される(1,500円/㎡等=部材費用+人工費)ケースが多く、人件費の記載があるケースでは、人工費一式〇〇万円となるのです。

クロスの張替も終わり、さてお客様にも満足していただけたわけですが、これで終わりなわけではなく、古いクロスを剥がした時の廃材、養生した時のビニールなど「廃棄物」が発生し、これを持ち帰り処理してもらう「廃材処理費用」が必要となるわけです。

そして最後によくる見積項目「諸経費」。
これは何かというと、上記に書いたクロスを貼る際の“糊”、クロスを剥がす際に発見した凹みや損傷の補修、クロスを剥がす貼る際のエアコンスイッチの取り外し等々、現地までの交通費や車両費などを総称して「諸経費」と考えていただくことが良いかと思います。

見積書に「糊代」「補修費」※あるかないかもわからない「車両代」「ガソリン代」「駐車場代」「通信費」etc… こんな細かい項目の見積書を提示されたらイヤになってしまいませんか?

以上を踏まえて、今回のケースの15坪の内装工事のクロス張替え金額を想定した場合、

部材費・室内養生費用・ハガシ費用・廃材処理費用・荷物移動費用・諸経費

合わせまして約300,000円前後

上記の金額が一般的な金額になると考えられます。
しかしながら、この金額より安い費用、高い費用で施工する業者がいることも事実であり、ネット社会である以上自己判断で業者を選ぶことが必要であると考えますが、ここまで記事を読んでいただけたならある程度は理解していただいていることを踏まえ一言助言するならば、よく見る「相場の25%OFF・激安お見積り」これおかしなことに気づきませんか?

内装工事のクロス張替えだけをとってもこれだけの項目が発生し、削れる部分があるとすれば、人件費と考えるのが普通だと思います。
なぜならば、部材費の仕入れ値、廃材の処理費用はどこの業者も概ね一定の金額で決まっているためです。

※よく近所の工事屋さんで敷地内にゴミが山積みとなっている状態を見たことありませんか?これは廃棄物を処理する費用を渋っているもしくは、ある程度溜めて一度に処理しているケースです。

人件費を削るという事は、一日に周る現場が複数、3日通して徹夜作業、日当が安い(技術が低い)といった現場を軽視する傾向にある業者というケースが考えられ、見た目は形になっていても、どこか“手を抜く”作業が発生してしまう可能性が高くなってしまうのではないでしょうか。

必ずしもそうではないケースも考えられますが、内装工事を依頼する前に費用だけでは判断できない要素を考えてみましょう。

次回は、スケルトンにおける内装工事の費用について考えてみましょう。

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